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トリハロメタンの問題に効果的な中間塩素処理

水道水は細菌汚染防止のため、塩素消毒し、蛇口から出る水の遊離残留塩素を0.1mg/L以上保持することが水道法により義務付けられています。

塩素は消毒効果のほかに酸化作用もあり、水に溶けている鉄やマンガンなどの金属を酸化し、アンモニア性窒素や有機物を分解する作用があります。そのため、残留塩素の量を確保するために、水道水にやや過剰の塩素を加えます。しかし、この塩素が原水中の有機物と反応してトリハロメタンを発生させてしまいます。

トリハロメタンは水中の塩素と有機物が反応してできる化合物、クロロホルム、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルムの4種類があります。トリハロメタンには発ガン性が認められて問題となりました。

塩素処理は「後塩素処理」「前塩素処理」の二重塩素処理がほとんどでしたが、こうしたトリハロメタンの問題の解決方法として、前塩素処理に代えて中間塩素処理の採用が注目されています。

もともとは、ろ過処理した後の水の殺菌目的で塩素を注入していました。(後塩素処理)しかし、臭みが抜けなかったり、処理槽が生物膜で詰まってしまうなどの問題が発生したために、処理前にも塩素を注入しました。(前塩素処理)

しかしトリハロメタンは塩素と不純物が反応して生成されてしまうため、ろ過する前に塩素を注入する前塩素処理で使用する塩素を極力少なくして、沈殿凝縮を終えて、不純物をほとんど取り除いた状態の水に塩素を投入することで、トリハロメタンの発生を抑えることができます。これを中間塩素処理といいます。

不純物のあまり多くない原水では、前塩素処理を中間塩素処理に変更するだけでも、殺菌効果は期待でき、注入点が前か、中間かだけの問題なので、変更も簡単にできるのが中間塩素処理の利点でもあります。

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