硬水とは
骨や筋肉の働きを助ける役割のあるカルシウムやマグネシウムの含有量が多い水を硬水と言います。一般的に硬度が120以上の水が硬水と呼ばれています。
WHO(世界保健機関)による基準値は、硬度120~180を硬水、180以上を超硬水となっています。
正確な基準値はこのようになっています。
スポーツの際のミネラル補給や妊産婦のカルシウム補給、便秘やダイエットにも効果的だと言われています。
料理によって使い分けることが大切
和食には硬水は不向き
硬水に多く含まれているカルシウムやマグネシウムは第2族元素に属しており、この第2族元素は有機酸と結びつきやすいという特徴があります。有機酸として代表的なのがグルタミン酸です。グルタミン酸のモノナトリウム塩は昆布だしのうまみ成分で、カルシウムやマグネシウムと結合することで味が悪くなると言われています。そういったことから和食には、味を邪魔されない軟水が適していると言われているのです。
西洋の料理や、コーヒーには硬水
反対に煮崩れを防ぎたい料理には硬水を用いると良いでしょう。西洋の煮込み料理に硬水が適しているのは、形を崩さないように煮込む料理が多いからです。硬水には肉の臭みを抑えたり、灰汁を取る効果があるため、洋風だしを取ったり肉を使った煮物料理、鍋料理に最適です。パスタを茹でる際にコシを与えてくれる効果もあります。また、硬水そのものには独特の苦みやえぐみがあるものの、コーヒーに用いると、渋みが抑えられマイルドな味になるとともに、コーヒー本来の風味を引き立ててくれる効果があります。こうしてみると料理の特徴を活かして、軟水と硬水とをうまく使い分ける必要がありそうですね。
動脈硬化の予防に
動脈硬化を予防し、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを減らすためには硬水がいいといわれています。カルシウムやマグネシウムを摂取することで、血液をサラサラにしてくれる効果が期待できることが理由です。
硬水が不向きな人もいる
腎臓に障害がある方は、硬水の中に含まれるカルシウムを充分にろ過することができずに結石などのリスクが高まるので硬水は不向きです。また、胃腸が弱い方もおなかを下しやすいといわれています。