脱イオン水とは
地下や川から汲み上げられた水は、一般には「ろ過」や「殺菌」によって、不純物を取り除かれ私たちの健康を損なわない飲料水に適した水となります。
しかし、一見するときれいで清浄な水のように見えますが、水道水にはカルシウムやマグネシウムといった陽イオンと塩酸や硝酸などの陰イオンがごく微量ですが含まれています。
私たちが飲料水とする分には全く問題がありませんが、これが医療や化学実験、半導体の基盤洗浄などに用いられる時、イオンが残っていることでいろいろな不具合を生じます。特に精密な分析を行う時、これらのイオンが不純物として実験結果に大きな影響を及ぼすこともあり、わざわざイオン交換樹脂を通して精製する必要があります。
脱イオン水の必要性
水は非常によく物質を溶かしますから、何かを洗浄する時にも、あるいは何かを液状にするにも、私たちの生活には欠かすことができません。しかし、水に最初から溶けている物質を徹底的に取り除く必要のある場合もたくさんあります。
たとえば、点滴や注射剤に使われる水は、体内に直接入るのですから、徹底的に脱イオン化され、さらに沸騰させて蒸気にしたものを凝縮し、高純度の水だけの状態にしたものを使用しなければなりません。
このように、脱イオン水は化学・技術の発展や私たちの健康に欠かせない水となっています。