現在最もポピュラーなろ過方法
日本の水道水を供給する施設の多くは、1960年から70年代に造られた急速ろ過法によるものです。
急速ろ過のメリットとは
急速ろ過法のろ過速度は一日120~150mで、緩速ろ過法に比べると約30倍の速さになります。また、原水の濁度に対しての守備範囲が広いことなど、大規模な浄水場では施設効率や、人的効率などからほとんどがこの急速ろ過法を採用しています。
急速ろ過は、施設として、流入装置、ろ過材、集水装置、洗浄装置が基本設備となっていますが、この方式だとかなり水の濁り具合がひどい場合であっても、簡単に不純物を除去できますし、施設の敷地面積も少なく多量の水を短時間で効率的に浄水処理を行うことができます。
急速ろ過のデメリットとは
短時間で大量の水をろ過できる急速ろ過ですが、水溶性有機物、合成洗剤、農薬、藻類、臭気、細菌などを取り除く効果はあまりありません。ろ過する過程ですり抜けてしまったこうした不純物や体に影響を及ぼす細菌に対しては、塩素で酸化処理をしなくてはなりません。
水道水源になる川の水などには、赤痢やコレラなどをひきを超す病原菌が含まれている可能性もあるので、上水道処理ではこれらの病原菌を殺すための塩素処理は欠かすことができません。しかし、こうした塩素処理をした場合、副作用として有害なトリハロメタンが発生してしまうというデメリットを持っています。
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