温泉

温泉とは

昭和２３年に定められた、温泉法によると、地中から湧出する温水、鉱水および水蒸気その他ガス（炭酸水素を主成分とする天然ガスを除く）で、源泉温度が２５℃以上または、定められた物質のうち、いずれか１つ以上を有するものを温泉といいます。

・温度２５℃以上
・定められた物質のうち、いずれか１つ以上を含む

物質（以下のうち、いずれか１つ）　含有量１ｋｇ中

泉質による分類

温泉には、様々な物質が含まれており、それらの物質の溶存量（溶け込んでいる量）などにより分類されます。

治療の目的で使われる療養泉は、含まれる溶存物質によって１１種類に分けられています。

すべてに共通して期待できる効果として、浴用では、神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、冷え症、疲労回復、健康増進、病後回復期、痔疾などがあります。

単純温泉

ガス性の物質を除く、溶存物質の量が規定以下（１ｇ以下／１０００ｇ）で、温度が２５℃以上の温泉。 臭いや味はなく、無色透明なのが特徴。

単純二酸化炭素泉

温泉水１０００ｇに、炭酸ガスが１ｇ以上溶け込んだ温泉。低温度で心臓の湯と呼ばれます。

浴用　：　切り傷、やけど、動脈硬化症、高血圧症など
飲用　：　慢性便秘、慢性消化器病など

炭酸水素塩泉（カルシウム・マグネシウム・ナトリウム）

鎮痛作用があり、飲用では痛風や糖尿病にも効果的。アルカリ性で肌がつるつるになることから、美人の湯に多い。

浴用　：　切り傷、やけど、慢性皮膚病など
飲用　：　慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病など

塩化物泉（ナトリウム）

食塩を含む日本に多い温泉。保温効果が高く、飲用することで胃腸の作用を整えることから胃腸の湯とも呼ばれる。汗の蒸発を防ぐ効果もあり、体温が逃げにくく、ポカポカした状態が長く続くため、湯冷めしにくい特徴を持ちます。

浴用　：　切り傷、やけど、慢性皮膚病、虚弱体質、慢性婦人病など
飲用　：　慢性消化器病、慢性便秘など

硫酸塩泉

硫酸塩が含まれる温泉。マグネシウム、ナトリウム、アルミニウムなどの陽イオンによって様々な効果が期待できます。傷の湯、中風の湯などと呼ばれる。

浴用　：　切り傷、やけど、動脈硬化症、慢性皮膚病など
飲用　：　慢性胆のう炎、胆石症、痛風、慢性便秘、肥満症など

含鉄泉（炭酸水素塩泉）・含鉄泉（硫酸塩泉）

温泉水１０００ｇに、鉄イオンが１ｇ以上溶け込んだ、貧血の湯として知られる茶褐色の温泉。

浴用　：　更年期障害や、慢性湿疹、月経障害、水虫など
飲用　：　貧血など

単純硫黄泉

温泉水に２ｍｇ／１０００ｇの硫黄を含む温泉。白く濁っており、硫黄特有の卵の腐ったようなにおいがします。日光や空気に触れると、湯の花が沈殿するのも特徴です。

浴用　：　光線過敏症など
飲用　：　下痢など

単純酸性泉

温泉水に多量の水素イオンが含まれており、刺激が強く、殺菌効果がある。さらに、角質を軟化する作用があるので皮膚病に効果的と言われています。肌が弱い人は湯ただれをおこしやすいので注意が必要です。

浴用　：　慢性皮膚病など
飲用　：　慢性消化器病など

単純放射線泉

ラジウム泉といわれ、主成分はラドンかトロン。鎮静作用や利尿作用などもあることで知られています。

浴用　：　慢性皮膚病、高血圧症、動脈硬化、慢性胆嚢炎、慢性婦人病、胆石症、痛風など
飲用　：　慢性消化器病、慢性胆嚢炎、胆石症、神経痛、筋肉痛、関節痛、痛風など

泉温による分類

冷鉱泉（れいこうせん）　：　泉温が25℃未満の温泉

低温泉　：　泉温が25～34℃未満の温泉

温泉　：　泉温が34～42℃未満の温泉

高温泉　：　泉温が42℃以上の温泉

日本や世界の温泉

日本の温泉　世界の温泉